美術情報満載のwebマガジン
展覧会レビュー11/8-11/11 にて展評いただきました
www.dnp.co.jp/artscape/
美術ライターの小吹
隆文氏にインタビューいただきました。小吹 隆文氏が運営する
インタビューページにて掲載されています
www.recommend.ecnet.jp
オンラインアートマガジン に展評いただきました
www.art-yuran.jp/
Artist Statement
2019.June
私は、急いでいる
古くなった黄色の縦長の店をまがって ずっとまっすぐ 目がかわく 赤い屋根の赤い提灯が下がった蛸焼き屋がみえてきた あそこへいってこれをやって これがおわったら 赤は止まれ あの深い緑がふくらんだ高い公園を横切って くだっていく こい黒いものが踊ってる あれをもって階段をあがってあれをすます ほっとする グレーの道に白い横線たまに白い縦があらわれる
今おこっているひとつのイメージを作りたい
私のおくに落ちていったあの重たい風景は、ある輪郭と似たものをもった色へ
その隣にさらに何か、何でもいい何か
2007.Sep
今朝から急に涼しくなってきたので
久しぶりに35分くらいかかかる坂道を歩いた。
暗闇の中を歩くのは、自分の中を整えることができる。
吐き出し、消化する。
とにかく!たくさん詰め込めば何かが生まれてくるのではないか?
と感じる。
以前に歩いた時に、見た同じ風景。
むこうへ向かって広がるグレーの水、白い壁の赤い屋根、黄緑の柱、同じ3つの円柱、その中から突き刺さるような白い光。
見ようとすればする程に見えない感覚、近づこうとすればする程に遠ざかる記憶。
前のめりに歩いて行きたい。
かなり息が切れた
汗が流れてきた 風が冷たかった
体は熱かった
ちょうど辿り着いた
2007.Feb
Between the scene and the form 07 に向けて
坂の上から見える横長くひろがる白い青。まっすぐ、ジリジリとくっついている。
それを見ながら下っていく…
青の●が先へと進むように指示してくれる。
四つ角にあるのは、白い文字が浮く青い光。その上をゆっくり過ぎる青い動き。
その下の青い矢印。青く舞うタオル。『今日も1日』も青い文字。
もっとずっと下がる…
さらさらの白かベージュの向こうには、やけに赤い筒が立つ、垂れる深緑の流れの前に立っている。
2006.Nov
泉 依里個展 dangleに向けて
まぎれもない事実もその伝え方で、みながそれを真実と見るか否かきまるであろう。(中略)ある女がつければつければそれは輝きを増し、また別の女がつければ光を失い石くれと化してしまう。真珠がそうであるように真実もまたこぼれやすい。
アーシュラ・K・ルグィン著『闇の左手』より
今、そこにある美しいと感じる山々も
輝くような黄色も
目に飛び込んでくるギラギラした石の山も
深くにおいのきつい黒緑色の海も
かわいらしい赤いポストも
そこにある心理的な時間の中で瞬間に生まれ続ける驚きである。
そんなにも不安定で素晴らしい人の意識を
宙に浮くようなザラザラした感覚を大切に描いています。
2006.Apr
アート・ウェハース -21世紀絵画の重層性-に向けて
今年もまた始まり、もはや4月となってしまいました。
「この公園も桜が満開ね」と、ここ数年犬を飼いだした私は、必ず行かなければならない散歩で会うおばさんに、声をかけられて毎日行っているはず公園に、やっと気がつく始末です。広い数年前にできたその公園は、桜の木はとても小さくまだ花も少ししか咲きません。お花見客も来ないここでは、おばさんの話「この間、神戸空港に行っ…」を聞きながら、桜を4本見ることができました。
オレンジ色のブイが浮かぶ海が見えて、きつい匂いを放つ製粉工場が向こう側に見えるその公園は、強引に作られた芝生広場と生態系を作りたい、藻が浮かぶビオトープ、歩きやすい枯れた松林によって整理された自然になら触れることができます。
川から海につながる河口の向こう側の製粉工場の並びには、てっぺんに大きな酒樽をつけたマンション、黄色が斜めに走る白い窓のない四角、茶赤の三角をのせた横長の倉庫。その上には、川に太くしっかりとさした白い土台とは、似つかわしくない薄くまっすぐの道がゆっくりと向こう側へ伸びています。その間を時折、下が深い緑色をした灰色の船がすごいスピードで入ってきます。
遠くで、工場の業務連絡が聞こえてきました。
ああ、もう7:00か。
さあ、そろそろ私も帰って描かなくては…
2005.Dec
私達は、そこに《あるもの》を認識する作業は、そこにある要素を組み合わせただけでなく、《あるもの》がおかれている状況、形、距離感や心理的な時間の流れの中の瞬間において生成され続ける。
しかし、その安定した状況が失われた時、視る側は《あるもの》が《あるもの》であることを認識することが困難になる。《あるもの》は曖昧になり、《あるもの》の意味は希薄になり、《あるもの》は抽象的な形や色として現れ宙ぶらりんの状態になる。
2005.Aug
いつも行く場所がある。深いグレーが立ち並び、緑に覆われ、青黒い水。そして飛び込んでくる点。
曲がり重なる線と光。それでいて開放感のある。
そこは、いかねばならない場所。
そんなにも見ている場所なのに、とても距離感が失われる。何かを見ているのではなく。
状況や心理的な時間の流れの中で見ている。不安定なグラグラとする浮いた感覚。
心地よくもある異なった感覚を大切にしている。
2004
そこに在る「物」は、固まりとして在るように見える。
それは、とても作られたもので、人の意識の中でまた、変化しつづける。
そこに在る「物」を、なぞっていく。
「形」は、何度も手を加えることで崩れ、もっと曖昧な塊へと変化する。
その曖昧なものとなった塊は、形を変えて見えてくる。
他の形となって、見えてくる。
他の塊となって、そこに在る。
なぞっていくと、その塊は、どこかに在る。
その場所は、描くことで現れる場所。
見たことがある場所。
描くことで、崩すことで、曖昧にすることで、
もっと観ることを拡大させる。
2003.Nov
私の仕事場から帰宅する自転車での道のりは、
多くの色で作られた遊技具が並ぶ緑の公園や住宅、
グレーの電柱、赤いポール...........の中を西へ走っていきます。
そんなある夕日の強い日に、そのアスファルトの上に黒い大きなツヤツヤした塊が垂れていました。
それは、そこにある風景から浮いて見えました。
風景の色や凹凸は、塊をみせるための空間に感じられました。
風に揺られて形を変えながら...........
2003.Sep
イメージを繋げていくモノは、カタチとしてそこに在る。
何度もなぞられたモノは、そのモノの意味はなくなり、カタチとしてそこに在る。
それらしく見せようとするほど.........
何かを見つけようとするほど.........
もっと正確になぞっていこうとするほど曖昧になっていく。
風景は、曖昧になったモノを観ることが出来る場所。
もっと観ることを拡大させる場所。
2002.Sep
私が会社に出勤する時に乗る電車は、川に沿って海へ向かって走っていきます。
ある暑い日にその川と海の境目で黒い奇妙な塊がグングンと凄いスピードでグレー工場が建ち並ぶ
青黒く濁った水の中を飛んでいました。
じっと見ているとその塊には、少し羽が見えたように思いました。(鳥なのかな?)
原型をとどめておらず、白黒くボーとして、どこが輪郭なのかわからないまま・・・
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